作成:2026年9月/対象:経営学部(経営学科・国際経営学科)、一般入試「学部共通日程」(2/6・2/8・2/9・2/12・2/13)。文学部独自日程(2/11)は対象外。
調査方法:立教大学公式サイト・河合塾Kei-Net・パスナビ・赤本等の分析記事に加え、2021〜2026年度の実物過去問(国語・世界史、各年度1〜2日程、計14本)を東進過去問データベース経由で直接精査。二次情報だけでなく、実際の問題文・設問を突き合わせた分析。
このレポートは第1部(誰にでも当てはまる客観的な傾向分析)と第2部(作成者個人の学習状況に合わせたメモ)に分かれています。第2部は読み飛ばして構いません。
2019年11月、立教大学は2021年度入試から次の2点を柱とする改革を発表した。
1. 英語の独自試験を全廃し、英語資格・検定試験(英検・GTEC・IELTS・TEAP・TOEFL iBT・ケンブリッジ英検等)または共通テスト英語の成績に一本化。最低点の縛りなし、複数スコアがあれば自動的に最高得点換算。
2. 学部個別入試を廃止し、「同一試験日なら全学部・全学科で共通問題」の方式に統一(理学部除く)。1学科あたりの受験機会が最大5回(文学部6回)に拡大。
日程ごとに実施学部の組み合わせが決まっていて、その日程内でのみ問題が共通という仕組み。文学部の2/11だけは独立した作問チームによる別問題(漢文を含む国語、独自英語試験あり)。
| 試験日 | 国語 | 選択科目(1科目) | 英語 | 合計配点 |
|---|---|---|---|---|
| 2/6・2/8・2/9・2/12・2/13 | 現代文2題+古文1題 100点 | 世界史/日本史/政治経済/数学から1科目 100点 | 外部検定 or 共通テスト英語 150点 | 350点 |
共通テスト利用入試(3科目型400点・6科目型700点)は別方式で個別試験なし。科目選択の細目は年度で微修正されるため、出願前に最新の学生募集要項(例年11月上旬公開)で最終確認必須。
| 年度 | 志願者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|
| 2020 | 2,434 | 220 | 10.5倍 |
| 2021 | 2,702 | 276 | 9.5倍 |
| 2022 | 1,891 | 301 | 6.0倍 |
| 2023 | 1,678 | 308 | 5.1倍 |
| 2024 | 1,406 | 311 | 4.3倍 |
| 2026 | 4,797(学部全体) | 685(学部全体) | 7.0倍(学部全体) |
2020〜2024年にかけて志願者数・倍率とも低下し続けたが、2026年度に学部全体で再上昇。合格最低点は大学非公表。
現代文2題+古文1題・75分・記述式併用という構成は2021年度改革の前後で大きくは変わっていない。同一日程なら全学部共通問題(配点のみ学部ごとに異なる)。
立教世界史最大の特色は、日常のモノ・文化・地域を切り口に通史を横断させるテーマ史。実物で確認した具体例:
ほぼ毎年まったく異なる切り口が選ばれており、次に何が来るか予測するのは難しいが、「モノ・文化・地域軸の通史」という設計方針そのものは6年度を通じて一貫している。
ここから先は作成者個人の模試成績を踏まえた優先順位づけです。第1部の一般的な傾向分析とは切り離して読んでください。
現在の3科目偏差値(英語53.3・国語43.2・世界史40.0、河合塾全統記述模試)を踏まえ、伸びしろの大きい順に優先度をつけると以下の通り。
最優先:世界史(偏差値40・最も伸び悩んでいる)
教科書レベルの基礎知識がまだ固まっていない段階と推測されるため、テーマ史・地図問題などの応用に入る前に、まず通史の基礎固めを最優先する。
次点:国語(現代文が最大のボトルネック、偏差値43.2)
立教国語は「難問を解く力」より「時間内に本文と選択肢を正確照合する処理速度」が問われる形式のため、精読よりも速く正確に本文と選択肢を突き合わせる訓練が効果的な可能性が高い。
最後の仕上げ:英語(偏差値53.3・既に得意科目として確立)
英語は対策すれば伸びる実績が既にある(偏差値40.3→53.3)。英検準1級のスコアをCSE2,300台後半〜2,400以上まで伸ばすことが、経営学部合格の最短ルートになりうる。リスニングが弱点なので優先的に補強する。
研究結果.md の傾向分析(現代文=人文社会論の評論、古文=物語ジャンル・源氏物語級の文語文、世界史=テーマ史+正誤判定+地図知識)に基づいて作成したオリジナル問題。現代文は書き下ろし、古文は著作権切れの原典(『伊勢物語』)からの抜粋、世界史は完全オリジナル作問。本試験そのものではなく、傾向を再現した練習用教材。
制限時間の目安:国語75分/世界史60分(本試験と同じ設定)
次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
対話型のAIが日常に浸透するにつれて、私たちは奇妙な感覚に直面するようになった。相手が人間でなくとも、言葉を交わす行為そのものは変わらず心地よい、という感覚である。これまで「コミュニケーション」という言葉には、暗黙のうちに「相互に理解し合おうとする二つの意識の存在」が前提とされてきた。ところがAIとの対話には、理解しようとする「もう一つの意識」が存在するという保証がない。にもかかわらず、私たちはそこに何らかの応答を感じ、時には慰めさえ受け取る。
この現象を単なる「錯覚」として片づけるのは早計だろう。むしろ、人間が言葉に何を求めてきたのかを問い直す機会だと捉えるべきである。哲学者マルティン・ブーバーはかつて、人と人との関係を「我と汝」の関係と「我とそれ」の関係とに区分した。前者は相手を固有の存在として受け止める関係であり、後者は相手を道具や対象として扱う関係である。AIとの対話は、一見すると「我とそれ」の関係にしか見えない。しかし対話を重ねる利用者の実感としては、しばしば「我と汝」に近い手応えが生じる。この齟齬こそが、現代における言葉の役割を考えるうえで重要な手がかりになる。
なぜ「それ」であるはずの相手に「汝」の手応えを感じてしまうのか。一つの説明は、言葉そのものが持つ力にある。私たちが言葉を交わすとき、実は相手の内面そのものに直接触れているわけではない。常に、相手が発した記号列を自分の側で解釈し、意味を立ち上げているにすぎない。つまり対話とは、本質的に「相手の内面を推測する自分自身の作業」の連続である。だとすれば、相手が人間であってもAIであっても、この推測の作業自体は同じ構造を持つことになる。違いがあるとすれば、相手が本当に内面を持っているかどうかを、私たちが最終的にはどうやっても確認できないという一点だけだ。
もっとも、この事実は言葉の価値を貶めるものではない。むしろ逆である。私たちが求めていたのは、相手の内面という到達不可能な対象そのものではなく、内面があるかのように応答が返ってくるという「関係の手触り」だったのかもしれない。とすれば、AIとの対話が慰めをもたらすことを軽々しく否定する必要はない。ただし、そこで得られる関係の手触りが、人間同士の関係が本来持っていたはずの責任や不確実性――相手を傷つけうるし、傷つけられうるという相互性――を欠いていることは、はっきり自覚しておく必要がある。
結局のところ、AIとの対話が問いかけているのは「AIに心があるかどうか」という使い古された問いではない。「人間はそもそも言葉に何を託してきたのか」という、より根源的な問いである。この問いに向き合わずに利便性だけを享受するとき、私たちは知らぬ間に、言葉を交わすことの重みそのものを痩せ細らせてしまう危険を抱え込むことになる。
問一 波線部ⓐ「浸透」・ⓑ「痩せ細らせて」のカタカナを漢字に、漢字は読みをひらがなで記せ。(各2点)
問二 傍線部①「奇妙な感覚」とは具体的にどのような感覚か。本文中の語句を用いて四十字以内で説明せよ。
問三 傍線部②「この齟齬」の説明として最も適当なものを次の中から一つ選べ。
ア AIには内面がないと知りつつも、対話に安らぎを感じてしまうという矛盾
イ 「我と汝」の関係は人間同士にしか成立しないと哲学が証明している点
ウ AIとの対話は「我とそれ」の関係に見えながら、「我と汝」に近い手応えを与える点
エ ブーバーの理論がAIの登場によって完全に否定されてしまったという事実
オ 人間はAIに対して「それ」以上の関係を望んではいけないという規範
問四 傍線部③「この推測の作業自体は同じ構造を持つ」とあるが、なぜそう言えるのか。本文の論理に沿って六十字以内で説明せよ。
問五 本文の内容と合致するものを次の中から一つ選べ。
ア 筆者は、AIとの対話に慰めを感じることを一貫して否定的に捉えている。
イ 筆者は、対話とは常に相手の内面を自分の側で解釈する作業だと述べている。
ウ 筆者は、AIには将来的に本当の心が宿ると予測している。
エ 筆者は、人間同士の対話には推測という要素は存在しないと考えている。
オ 筆者は、ブーバーの区分は現代においてはもはや無効だと結論づけている。
次の文章は『伊勢物語』の一節である。これを読んで、後の問いに答えよ。
昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、「京にはあらじ、東の方に住むべき国求めに」とて行きけり。もとより友とする人、一人二人して行きけり。道知れる人もなくて、惑ひ行きけり。三河の国八橋といふ所に至りぬ。そこを八橋といひけるは、水ゆく河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ、八橋といひける。その沢のほとりの木の蔭に下りゐて、乾飯食ひけり。その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり。それを見て、ある人のいはく、「かきつばたといふ五文字を句の上に据ゑて、旅の心を詠め」といひければ、詠める。
からころも着つつなれにしつましあれば はるばる来ぬる旅をしぞ思ふ
と詠めりければ、みな人、乾飯の上に涙落として、ほとびにけり。
問一 傍線部①「身をえうなきものに思ひなして」を現代語訳せよ。
問二 傍線部②「行きけり」の「けり」の文法的意味として最も適当なものを次から選べ。
ア 過去の伝聞 イ 過去の直接体験 ウ 詠嘆 エ 完了 オ 推量
問三 「八橋」という地名の由来を、本文に即して三十字以内で説明せよ。
問四 傍線部③の和歌に詠み込まれている技法として最も適当なものを選べ。
ア 序詞 イ 枕詞 ウ 折句 エ 縁語のみで掛詞は用いられていない オ 本歌取り
問五 この和歌に用いられている掛詞を一つ指摘し、それぞれの意味を答えよ。
問六 「みな人、乾飯の上に涙落として、ほとびにけり」とあるが、一同が涙した理由として最も適当なものを選べ。
ア かきつばたの美しさに感動したから
イ 男の和歌の巧みさだけに感心したから
ウ 和歌に詠まれた望郷・妻への思いに共感し、自分たちの旅を思ったから
エ 乾飯が思いのほか固くて食べにくかったから
オ 八橋という地名の由来に驚いたから
次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
人類の移動の歴史は、しばしば「境界線の書き換え」の歴史でもあった。19世紀後半から20世紀にかけて、ヨーロッパ列強はアフリカ大陸において急速に勢力圏を確定させていった。1884年から翌年にかけて開催された( 1 )会議では、アフリカ分割の原則が列強間で取り決められ、以後アフリカの大部分は短期間のうちに植民地化された。この過程で、現地の民族分布とは無関係に引かれた直線的な国境線が数多く生まれ、後の地域紛争の火種の一つになったとされる。
20世紀に入ると、二度の世界大戦を経て植民地体制は動揺し始める。第二次世界大戦後、アジア・アフリカ諸国は相次いで独立を達成した。1955年には( 2 )でアジア・アフリカ会議が開催され、反植民地主義・平和共存を掲げる第三勢力としての結束が図られた。
問一 空欄(1)(2)に入る適語を答えよ。
問二 下線部「アフリカ分割」に関連して、20世紀初頭の時点でアフリカ大陸において独立を維持していた国を次のうちから二つ選べ。
ア エチオピア イ アルジェリア ウ リベリア エ コンゴ オ ナイジェリア
問三 下線部に関連し、アフリカ大陸南部で金・ダイヤモンド利権をめぐり1899年から1902年にかけてイギリスとブール人(アフリカーナー)との間で戦われた戦争の名称を答えよ。
問四 次のa〜dの記述のうち、内容が正しいものの組み合わせを後の選択肢から選べ。
a ドイツ領東アフリカは、現在のタンザニア本土にあたる地域を中心に成立した。
b フランスは「縦断政策」、イギリスは「横断政策」を掲げてアフリカで衝突した。
c 1898年、ファショダ事件はイギリスとフランスの間で起こった。
d ベルギー領コンゴは、国際連盟による委任統治領として統治された。
ア aとc イ bとc ウ aとd エ bとd オ 該当する組み合わせはない
問五 アジア・アフリカ会議で採択された、内政不干渉・領土保全の尊重などを含む十原則の名称として最も適当なものを、次の中から選べ。
ア 大西洋憲章 イ 平和五原則 ウ バンドン精神 エ 平和十原則 オ ワシントン体制
次の文章を読んで、後の問いに答えよ。
感染症の流行は、しばしば社会の構造そのものを変化させてきた。14世紀のヨーロッパでは、( 1 )と呼ばれる伝染病が大流行し、当時のヨーロッパ人口の三分の一が失われたとも推計される。この結果、労働力が急減し、荘園制を支えていた( 2 )の待遇改善が進み、西ヨーロッパにおける農奴解放の一因になったとされる。
近代に入っても感染症は歴史に影響を与え続けた。19世紀、( 3 )というインド発祥とされる感染症が国際的に流行を繰り返し、各国で検疫制度の整備が進んだ。20世紀初頭には、第一次世界大戦の終結期にスペインインフルエンザが世界的に大流行し、戦争の終結過程そのものにも影響を与えたと指摘されている。
問一 空欄(1)〜(3)に入る適語を答えよ。
問二 下線部に関連して、14世紀のペスト流行を題材にした作品として知られる、ボッカチオの著作名を答えよ。
問三 次の出来事ア〜エを、年代の古い順に並べよ。
ア スペインインフルエンザの世界的流行
イ 黒死病(ペスト)のヨーロッパ大流行
ウ 種痘法をジェンナーが考案
エ コレラの国際的流行の拡大
問四 次のa〜eの記述のうち、内容が正しいものをすべて選べ。すべて誤りの場合はeを選べ。
a 黒死病の流行は中国からモンゴル帝国の交易路を通じてヨーロッパに広がったとする説がある。
b ジェンナーの種痘法は、天然痘の予防を目的として開発された。
c スペインインフルエンザは発生源がスペインであることが科学的に確定している。
d 産業革命期のイギリスでは、都市の衛生環境の悪化がコレラ流行の一因となった。
ア aとb イ bとc ウ aとb・d エ cのみ正しい オ 該当なし(すべて誤り)